宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (11:54)
今日、C1.9の小規模フレアが発生しました。
また、M9.3の中規模フレアが一昨日発生しています。
太陽風の速度が高くなっています。
磁気嵐がやや発達しています。
太陽放射線が非常に強くなっています。放射線帯電子は静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
8/ 6 04:35 C1.5
02:21 C1.9
8/ 5 21:37 C2.0
08:19 C3.7
07:46 C1.7
06:05 C3.3
8/ 4 23:32 C1.8
22:03 C2.2
18:15 C2.6
16:56 C3.5
12:41 M9.3
11:15 C3.3
09:46 C1.7
04:23 C8.5
03:51 C2.3

黒点  8/ 6 (NOAA)
磁場 フレア
1260 1 α C1
1261 12 βγ M9
1263 20 βγδ C2
1266 5 β ---
1267 6 β C1

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
11:44 595 -5.1
-2 h 595 -9.1
-4 h 592 -0.3
-6 h 590 -7.5
-8 h 505 -4.0
-10 h 397 +0.0
-12 h 410 +0.5

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
11:30 -78 -/ -
-2 h -71 -/ -
-4 h -67 -/ -
-6 h -20 -/ -
-8 h -12 -/ -
-10 h -11 -/ -
-12 h -12 -/ -

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 11 2x10^2
8/ 6 96 4x10^2
8/ 5 69 1x10^3
8/ 4 80 9x10^2
8/ 3 2 8x10^2
8/ 2 3 1x10^3

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期短期 (swnews)
黒点動画 (SDO)
X線5分1分 (GOES)
X線写真動画 (GOES)
SolarMonitor (TCD)
AIA193動画 (SDO)
AIA304動画 (SDO)
EIT195 (SOHO)
EIT284 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
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これまでの経過 (過去のニュースの 閲覧全リスト)
2011/ 8/ 2 12:07 太陽風の速度は500km/秒近くに下がりました。太陽はCクラスフレアを数回起こしています。
2011/ 8/ 3 11:29 M1.4の中規模フレアが発生しました。CMEが噴き出していて、太陽風の乱れが到来するでしょう。
2011/ 8/ 4 13:32 昨夜にM6.0、今日の昼にM9.3と、太陽では大きな中規模フレアが続いています。
2011/ 8/ 4 19:31 M9.3フレア発生以降の状況 (速報)
2011/ 8/ 5 10:21 太陽ではフレアの発生に注意が必要です。これから明日にかけて、CMEによる太陽風の乱れが次々到来しそうです。
最新のニュース

2011/ 8/ 6 11:54 更新
太陽風の乱れがやって来ました。磁場が強い南向きになったため、激しい磁気圏活動が発生しています。

担当 篠原

CMEによる太陽風の乱れがやって来ました。
今日の未明、6日2時半(世界時5日17時半)に、
太陽風の磁場強度、プラズマ密度、速度、それぞれが上昇を始め、
およそ1時間後には、磁場強度は30nTに、速度は650km/秒、
プラズマ密度は20個/cm^3へと大きく上昇しました。
3日22時半(世界時3日13時半)のM6.0フレアによるCMEが到達したのだと思われます。

速度の上昇も大きいですが、磁場強度が30nTとかなり強まり、
6日5時(世界時5日20時)頃から2時間にわたって
-20nTとたいへん強い南向きになっています。
この影響が大きく磁気圏活動に現れています。

オーロラの活動度を表すAE指数は、
太陽風の変動がやって来るとともにぐんぐん上昇し、
6日7時半(世界時5日22時半)頃には、2300nTに達する猛烈な変化となりました。
この頃、昭和基地は観測にはよい時間帯だったのですが、
天候が悪く、曇った空全体が明るく輝く様子を記録しているだけでした。

地球の赤道を囲む様に磁気圏を流れる環電流も強まり、大きな磁気嵐となっています。
京都大学によると、Dst指数は -123nTに達する変化を記録しています。
-100nTを超えた(低い数値になる)のは、2006年12月15日の-146nT以来です(記事)。

激しい現象は磁気圏でも観測されています。
太陽風の強い南向きの磁場によって磁気圏の磁場がどんどんはぎ取られて、
磁気圏の境界が縮まって行ったため、
普段は磁気圏の内側にある静止衛星のGOES衛星が、
一時的に磁気圏の外側に出てしまいました。
GOES衛星の磁場のグラフを見て下さい。
通常はプラス側にあるデータが、瞬間的にマイナスの方向に振れています。
この時、磁気圏の境界が静止衛星の軌道よりも内側になってしまったのです。
今回のように太陽風が大きく乱れたときに見られる現象です。


現在の太陽風は、速度は600km/秒と高い値を保っていますが、
磁場強度は10nTほどに下がっています(通常よりも強まった状態です)。
磁場の南北成分は、途中北向きに変わりましたが、
再び南向きになって、-5nTくらいで落ち着いています。
AE指数によると、磁気圏のオーロラ活動は続いていますが、変化は通常の規模です。


この後、4日のM9.3のフレアによるCMEが到来すると思われます。
もう一度、激しい太陽風の乱れがやって来るかもしれません。
注目を続けて下さい。


放射線帯の高エネルギー電子は、現在は少ない状態です。
しかし、太陽風の乱れを受けて、今後大きく増加することが考えられるので、
注意が必要です。


太陽は、C1〜2の小規模フレアが発生している程度で、落ち着いています。

また、太陽放射線は、今朝より10近くまで下がっています。



南極の昭和基地の全天カメラ画像。曇り空の上でオーロラが活発に現れた様です。
(c) 国立極地研究所、(動画加工 : 宇宙天気ニュース)


Dst指数は-123nTに達しています。
(c) 京都大学


太陽風の乱れにより、GOES衛星は一時的に磁気圏の外側に出ていました。
(c) NOAA/SWPC


SDO衛星のAIA193カメラによる太陽コロナの様子
(c) SDO (NASA)



SDO衛星による太陽の可視光写真。マウスの矢印を写真に重ねると、黒点番号付きの写真に切り替わります。
(c) SDO (NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) 作図:宇宙天気ニュース
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SWPC




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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。