宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (13:57)
太陽フレアは静かです。
太陽風の速度が高くなっています。
磁気圏は静かです。
放射線帯電子が非常に強くなっています。太陽放射線は静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
3/29 --- ---
3/28 --- ---
3/27 --- ---

黒点  3/29 (NOAA)
磁場 フレア
0987 14 β ---
0988 14 β ---
0989 5 β ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
12:23 594 -0.1
-2 h 598 -0.9
-4 h 607 -2.9
-6 h 625 -0.6
-8 h 644 -2.1
-10 h 645 -2.6
-12 h 644 -2.9

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
11:59 -27 -7/ 7
-2 h -30 -7/ 12
-4 h -30 -15/ 4
-6 h -32 -12/ 7
-8 h -35 -6/ 9
-10 h -37 -8/ 5
-12 h -37 -10/ 22

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 0.2 3x10^4
3/29 0.6 1x10^5
3/28 0.5 3x10^4
3/27 0.5 1x10^3
3/26 0.6 1x10^3
3/25 0.6 4x10^3

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)

情報ページ
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2008/ 3/24 10:13 太陽風の速度が高まり、500km/秒に上がりました。黒点群が出現しています。
2008/ 3/25 10:20 黒点群が2つに増えています。太陽風は穏やかで、磁気圏も静穏です。
2008/ 3/26 10:43 M1.7の中規模フレアが発生しました。CMEも見られています。太陽風は穏やかです。
2008/ 3/27 10:36 高速の太陽風がやって来ました。磁場変動の影響で、オーロラ活動がとても活発になりました。
2008/ 3/28 09:15 太陽風は600km/秒を超えました。活発なオーロラ活動も続いています。放射線帯の増加が始まっています。
最新のニュース

2008/ 3/29 13:57 更新
高速太陽風は後半を迎えています。放射線帯が100,000に達しています。かなり強まっており、注意が必要です。

担当 篠原

高速の太陽風領域は、ピークを迎えた様です。
昨日は、600km/秒と700km/秒の間を細かく変化していましたが、
やがて600km/秒に下がっています。

太陽風磁場の強度も、ゆっくりと弱まって、3nTに近づいています。
このことからも、高速風は後半に入ったと考えられます。


27日周期の図で、前周期の変化と比較してください。
高速風が最高速に達したタイミングはほぼ同じでした。
しかし、速度としては、前回は800km/秒まで上がったのですが、
今回は700km/秒止まりでした。
コロナホールとしては、少し広がったようにも見えていたのですが、
黒点群が発達したことが、高速風の噴き出しに影響したのでしょうか。

太陽風は引き続きゆっくりと速度を下げて行くでしょう。
明後日くらいには、普通の風に戻ると予想されます。


磁気圏のオーロラ活動は、活発に続いていました。
これは、太陽風磁場の南北成分が、南向きで推移していることが大きく関係しています。
AE指数では、1000nTに達する活発な変化が、頻繁に見られています。
シベリア磁場データを見ると、毎日、磁気圏が活発に活動を続けていたことがよく分かります。

しかし、このにぎやかさもそろそろ終わりを迎えそうです。
太陽風のデータに戻ると、速度はまだ600km/秒とかなり高速なのですが、
磁場強度がだいぶ弱まっています。
こうなると、南を向いても、変化の幅は小さくなってしまいます。
オーロラの強さは、太陽風の速度と南向き磁場の大きさに関係しています。

高速風は後半に入ったと書きましたが、
オーロラ活動も同様に、今日以降はすっかり弱まってしまいそうです。


高速太陽風の影響が、もうひとつ磁気圏で起こっています。
放射線帯の高エネルギー電子の急増です。
昨日警戒レベルに達したと書きましたが、その後も大きく増加が続き、
GOES 11(青線)が、100,000に達しています。

ここまでの上昇は、そう簡単には起こりません。
100,000を超えるのは、2005年9月以来です。
放射線帯がかなり強まっていますので、衛星の運用では注意が必要です。


太陽は、黒点群は3つ見えていますが、活動度は低く、
静穏な状態が続いています。
このまま静かに過ぎて行きそうです。



SOHO衛星EIT195カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

3/28 01:25 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。