宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (11:09)
今日、M1.0の中規模フレアが発生しました。
また、M1.6の中規模フレアが一昨日発生しています。
太陽風の速度がやや高くなっています。
磁気嵐が非常に発達しています。
太陽放射線と放射線帯電子はともに静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
3/18 08:26 M1.0
07:49 C2.6
3/17 10:46 C1.9
05:37 C8.1
05:03 C5.5
3/16 22:49 C2.8
19:37 M1.6
08:09 M1.2
07:43 C7.8

黒点  3/18 (NOAA)
磁場 フレア
2297 17 βγδ M2
2301 1 α ---
2302 1 β ---
2303 1 α ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
10:59 544 -3.5
-2 h 568 -6.8
-4 h 554 -18.2
-6 h 563 -15.3
-8 h 568 -11.6
-10 h 601 -15.4
-12 h 585 -16.1

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
11:30 -157 -/ -
-2 h -183 -/ -
-4 h -172 -/ -
-6 h -152 -/ -
-8 h -147 -/ -
-10 h -129 -/ -
-12 h -82 -/ -

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 0.1 9x10^0
3/18 0.3 4x10^1
3/17 5.0 3x10^1
3/16 8.4 7x10^1
3/15 4.0 1x10^2
3/14 0.4 6x10^1

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期短期 (swnews)
黒点動画 (SDO)
X線5分1分 (GOES)
X線写真動画 (GOES)
SolarMonitor (TCD)
Latest Events (SolarSoft)
AIA193動画 (SDO)
AIA304動画 (SDO)
AIA131動画 (SDO)
EIT195 (SOHO)
EIT284 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
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衛星電子 (GOES)
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Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
地上磁場 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
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これまでの経過 (過去のニュースの 閲覧全リスト)
2015/ 3/13 12:26 太陽では、Mクラスのフレアが続いています。太陽風は穏やかです。
2015/ 3/14 13:32 2297黒点群の活動がやや弱まっています。太陽風は穏やかです。
2015/ 3/15 13:28 Cクラスのフレアの発生は続いています。太陽風は低速で穏やかです。
2015/ 3/16 12:24 昨日のC9.1フレアに伴ってCMEが発生しています。Mフレアが2回起きています。
2015/ 3/17 12:12 2297群のフレアは続いています。CMEによる太陽風の乱れが近づいています。
最新のニュース

2015/ 3/18 11:09 更新
CMEによる太陽風の乱れが到来し、磁気圏が激しく乱れています。イエローナイフのオーロラをどうぞ。

担当 篠原

昨日のニュースの直後、
17日13時(世界時17日4時)に、太陽風の乱れが到来しました。
磁場が大きく南に振れて、激しい磁気圏活動を起こしています。


その報告の前に、
カナダの高坂雄一さんよりいただいた、
現地15日23時〜0時(世界時16日5〜6時)頃に、
イエローナイフで撮影された素晴らしいオーロラの写真を紹介します。
この夜は、この冬でも一二というくらい
色の豊富なオーロラが現れたそうです。

CMEの乱れがやって来る1日前のオーロラです。
太陽風のデータを見ると、
ちょうどこの頃に磁場が南に強く振れていました( -10nTくらい)。
この変化が影響した様です。

1枚目は赤い光の帯がぐるぐるとねじられたように、
2枚目は頭上からオーロラのシャワーが降り注ぐように、
どちらも息を飲むような光景です。
見事な写真をありがとうございます。



素晴らしい現象が重なっていますが、
CMEによる太陽風の乱れでは、
初めに、磁場は25nT、速度は500km/秒へ強まりました。
擾乱は17日13時45分(世界時17日4時45分)頃に地球に達し、
磁気圏を圧縮しています。
地磁気観測所の磁場データを見ると(3枚目の図)、
擾乱の始まりが、急な磁場強度の強まりとして観測されています。

太陽風磁場の南北成分は、初めは北向きに振れました。
しかし、1時間ほど経ったところで南向きに転じて、
-20nTとかなり強く振れました。
この状態が3時間ほど続いて、再び北向きに切り替わり、
その後、再度、南向きに変わって、
-20nT近い強い南向きが11時間にわたって続いています。

速度も、最高で650km/秒まで上がり、
擾乱全体で、550〜600km/秒の高速風が続いています。


この太陽風の乱れのため、磁気圏はかなり激しく乱れています。
AE指数のグラフは、2000nTを越える激しい変化が発生しています。
特に、上側のAU、ALのグラフに注目して欲しいのですが、
太くなっているグラフの帯の上端が、
活動が高まるとともに下へ下がっています。
これは、オーロラの活動領域が低緯度側へ広がってしまったためで、
こうなると、AE指数は乱れの大きさを測定できなくなってしまいます。

そして、京都大学WDCによるDst指数は、大きくマイナス側に振れて、
-221nTと激しい変化になっています。
Dst指数が -200nTを超えるのは、
現在の太陽の第24活動周期では初のことで、
前回は10年前、2005年5月15日の -247nT以来です。

Dst指数の変化としては、特別な大イベントではありませんが、
今回の第24期にとっては記録的なイベントとなっています。

この他にも面白い変化が発生しています。
静止衛星であるGOES衛星の磁場南北成分のグラフを紹介します。
静止衛星は普段は地球の磁気圏内にいるため、
磁場は北向き(プラス方向)になっています。
ところが、激しい太陽風の乱れ(特に南向きの磁場の強まり)がやって来ると、
磁気圏が押し込まれ、磁場がはぎ取られして、
静止衛星の軌道が磁気圏の外側に出てしまうことがあるのです。

今日のGOES衛星のグラフでは、
中央の部分に、磁場が南向き(マイナス方向)に振れている時間帯があります。
ここで、衛星が磁気圏から飛び出し(正しくは、磁気圏の境界が引っこんで)、
太陽風の中に入ってしまった様です。


現在の太陽風は、速度は550km/秒と高速風が続き、
磁場強度も20nT近くと強まっています。
しかし、磁場の南北成分は、今朝くらいから0nTに近づいていて、
そろそろ北向きに切り替わるかもしれません。
磁気圏の擾乱も、この辺りで一段落となりそうです。


太陽は、今朝、18日7時(世界時17日23時)に、
2297黒点群でM1.0の中規模フレアが発生しています。
X線グラフの変化は、少なくなっていて、
2297群の活動の弱まりを感じさせます。




久しぶりに、超長文になりました・・・



カナダ・イエローナイフで、高坂雄一さんにより現地15〜16日の夜に撮影されたオーロラ。
(c) 高坂雄一氏


カナダ・イエローナイフで、高坂雄一さんにより現地15〜16日の夜に撮影されたオーロラ。
(c) 高坂雄一氏


日本の地上で観測された磁場の変化。太陽風の乱れによって、急な強まりが発生している。
(c) 気象庁地磁気観測所


Dst指数(速報値)は -221nTまで下がり、大きな規模の磁気嵐になっています。Dst指数はマイナス方向に強まります。
(c) 京都大学WDC


GOES衛星の磁場南北成分の変化。太陽風の乱れにより、磁場が南向きに変化している時間帯がある。
(c) NOAA/SWPC


SDO衛星のAIA193カメラによる太陽コロナの様子
(c) SDO (NASA)



SDO衛星による太陽の可視光写真。マウスの矢印を写真に重ねると、黒点番号付きの写真に切り替わります。
(c) SDO (NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) 作図:宇宙天気ニュース
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC




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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。