宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (09:20)
太陽フレアは静かです。
太陽風は速度、南向き磁場ともに静かです。
磁気圏は静かです。
太陽放射線と放射線帯電子はともに静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
11/ 4 --- ---
11/ 3 --- ---
11/ 2 --- ---

黒点 11/ 3 (NOAA)
磁場 フレア
なし --- --- ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
09:17 308 +0.3
-2 h 312 +0.1
-4 h 396 +0.0
-6 h 375 -0.9
-8 h 403 -0.7
-10 h 333 +0.4
-12 h 377 +0.1

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
09:30 -15 -/ -
-2 h -15 -/ -
-4 h -16 -/ -
-6 h -16 -/ -
-8 h -14 -/ -
-10 h -14 -/ -
-12 h -14 -/ -

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 0.2 1x10^1
11/ 4 0.6 2x10^1
11/ 3 0.6 3x10^1
11/ 2 0.6 5x10^1
11/ 1 0.6 5x10^1
10/31 0.9 5x10^1

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)

情報ページ
宇宙天気用語集
宇宙天気日報
宇宙天気臨時情報
NICT宇宙天気情報センター
宇宙環境計測グループ
Space Weather Prediction Center
これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2009/10/30 09:35 太陽風の磁場が強まりましたが、北寄りだったため磁気圏は静穏です。1029黒点群は穏やかです。
2009/10/31 08:19 1029黒点群は、西の端に沈んでいきました。太陽風はやや低速で、穏やかです。
2009/11/ 1 08:06 1029黒点群が、太陽の西端でCクラスのフレアを起こしました。太陽風は低速で、地球も静穏です。
2009/11/ 2 13:50 太陽風は低速で、磁気圏も静穏です。
2009/11/ 3 10:40 低速の太陽風が続き、磁気圏も静穏です。
最新のニュース

2009/11/ 4 09:20 更新
太陽風の密度が減少しています。速度は低速で、磁気圏も静穏です。

担当 篠原

SOHO衛星がキーホールという電波を受信しにくい位置に入ったのに合わせて、
EITカメラはBakeoutというメンテナンス作業を行っているようです。
そのため、EIT195などの写真の更新が停止しています。
そこで、STEREO Behindの写真を使って、太陽コロナの様子を調べましょう。

STEREO Behindは、地球からどんどん離れて行っていて、
太陽から見た地球と衛星の角度は、60度に達しています。
これは、太陽の自転周期で考えると4日半に相当します。
STEREO Behindからは、地球より4日半先の太陽を見ていることになるのです。

今日の1枚目の写真は、STEREO Behindの最新の太陽コロナ写真です。
すると、一昨日のニュースで太陽の北半球に見えていた淡いコロナホールは、
もう、太陽の西の端(右端)に接近しています。
これでは、ずいぶん太陽が進んでしまったようで、
地球の宇宙天気を検討するには使いにくい感じがします。

では、STEREO Behindの4日半前の写真を見てみましょう。
2枚目の写真は10月30日の太陽コロナです。
すると、北半球のコロナホールは、ちょうど太陽の中央線を通りすぎ、
西半球に迫り出したくらいに見えています。
すると、地球への高速風の影響は3日後くらいかなと、タイミングを予想するには便利な写真です。

コロナホールによる高速太陽風の回帰というような、
ゆっくりと状況が変化する現象を検討するのであれば、
こうやってSTEREO Behindのデータをさかのぼって、
地球から見た状態に相当する写真を調べるというのも有効な方法です。


現在の太陽風は、速度が300〜400km/秒と低速のあたりにあるようです。
あいまいな表現になっていますが、それは、プラズマの粒子密度がかなり減少していて、
速度データのエラーが大きくなっているためです。
昨日のニュースの直後くらいから、大きく減っています。

磁場強度は、2nTへ弱まっています。
南北成分は0nT付近で安定しており、地球への影響は小さくなっています。
そのため、オーロラの活動度を示すAE指数のグラフは、ほとんど変化していません。


穏やかな状態は、明日か明後日くらいまで続くのではないかと思います。
27日周期の予想では11月7日、もしくは少し早まって6日くらいに、
コロナホールの影響が太陽風に現れると思います。
前周期(10月11日)のように速度の遅い変動であれば、到来も遅めになり、
今回は速度が高まってるのであれば、到来は早まることになるでしょう。

こういった点にも注目しながら、今後の太陽風を見てください。


太陽は、無黒点で静穏です。
昨日の昼過ぎの撮影ですが、SOHOの可視光写真が更新されています。
キーホールでも、ある程度のデータのやり取りはできる様です。



STEREO Behindによる最新の太陽コロナ写真。地球よりも4日半先の太陽を見ています。
(c) NASA


STEREO Behindによる4日半前の太陽コロナ。地球から見える太陽コロナは、このような状態です。
(c) NASA


SOHOによる太陽可視光写真。太陽は無黒点です。
(c) SOHO (ESA & NASA)


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。