宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (10:28)
太陽フレアは静かです。
太陽風南向き磁場が大きくなっています。
磁気圏の最新データがありません。
太陽放射線と放射線帯電子はともに静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
11/16 --- ---
11/15 --- ---
11/14 --- ---

黒点 11/16 (NOAA)
磁場 フレア
1008 1 α ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
10:21 402 -6.4
-2 h 398 -7.1
-4 h 384 +0.7
-6 h 370 +2.5
-8 h 343 +2.0
-10 h 315 +1.3
-12 h 307 +0.0

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
10:30 - -/ -
-2 h - -/ -
-4 h - -/ -
-6 h - -/ -
-8 h - -/ -
-10 h - -/ -
-12 h - -/ -

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 0.2 1x10^3
11/16 0.6 2x10^3
11/15 0.7 4x10^3
11/14 0.6 3x10^3
11/13 0.7 4x10^3
11/12 0.6 5x10^3

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)

情報ページ
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2008/11/11 07:57 太陽風は、速度400km/秒を割り、低速風に変わりつつあります。1008黒点群が出現したそうです。
2008/11/12 07:53 太陽風は低速風になりました(360km/秒)。穏やかな宇宙天気が続きます。
2008/11/13 08:06 太陽風の速度は330km/秒に下がり、とても穏やかです。
2008/11/14 09:22 太陽風はかなり低速で(290km/秒)、磁気圏も静穏です。1008黒点群が見えています。
2008/11/15 09:50 太陽風は低速で(310km/秒)、磁気圏はとても静かです。
最新のニュース

2008/11/16 10:28 更新
太陽風の速度は400km/秒に上昇しています。磁気圏活動もある程度強まっているでしょう。

担当 篠原

太陽風の速度が、400km/秒に上がりました。
変化は、16日0時(世界時15日15時)頃に始まりました。
それまで、320km/秒程度だった太陽風の速度は、ゆっくりと上昇し、
半日ほどかけて400km/秒に達しています。
変化の大きさとしては、通常の速度に戻った程度です。

速度の変化とともに、太陽風の磁場も強まりました。
磁場強度が10nTに上がり、南北成分も大きく南北に変化しています。
最大で、-10nTに達した時間帯もあります。

27日周期の図を見ると、前周期の10月20日にも、
太陽風の速度、磁場強度が強まる変化が見られました。
今回、この回帰がどうなるか注目していたのですが、
磁場に関しては、変化の幅が強まっています。


ACEの最新の部分(図の右端)では、磁場強度は5nTに弱まっています。
このままであれば、速度の上昇はこのあたりで止まりそうです。

太陽には、目立ったコロナホールも見られませんでしたから、
大きな変動が来ることはないでしょう。
この変化がどのように続くのか、しばらく注目してください。


太陽風の磁場が大きく変動していることと、速度がある程度回復していることから、
磁気圏活動もある程度強まっていると予想されます。
しかし、AE指数、沖縄の磁場データともに、データが止まっていて、
現状を見ることができません。

シベリア磁場データは、ほとんど変化していませんが、
一つの観測点だけでは、地方時の依存性があるため、
このデータだけで地球規模で静穏かどうかは分かりません。

太陽風の状況から、中規模程度の磁気圏の乱れは発生しているのではないかと思います。
データの回復を待ちながら、様子を見たいところです。


今回の太陽風の変化は、4日程度続く可能性があります。
この半年ほど安定していた太陽風の周期性に、変化が始まっているのかもしれません。


太陽には、1008黒点群があるそうですが、活動はなくたいへん穏やかです。



STEREO衛星が撮影した、太陽コロナの写真。地球よりも、3日ほど先の太陽を見ています。16日9時(世界時16日0時)。
(c) NASA


SOHOによる太陽の磁場写真。磁場の強まりは1008黒点群です。16日1時(世界時15日16時)
(c) SOHO (ESA & NASA)


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。