宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (10:42)
太陽フレアは静かです。
太陽風の速度がやや高くなっています。
磁気圏は静かです。
太陽放射線と放射線帯電子はともに静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
5/31 --- ---
5/30 --- ---
5/29 --- ---

黒点  5/31 (NOAA)
磁場 フレア
なし --- --- ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
10:38 552 +2.1
-2 h 564 +3.4
-4 h 551 +1.6
-6 h 572 +1.6
-8 h 567 -2.3
-10 h 567 +2.7
-12 h 588 -1.4

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
10:30 -7 -/ -
-2 h -10 -/ -
-4 h -11 -/ -
-6 h -16 -/ -
-8 h -12 -/ -
-10 h -13 -/ -
-12 h -9 -/ -

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 0.2 2x10^2
5/31 0.4 4x10^2
5/30 0.5 6x10^2
5/29 0.6 3x10^2
5/28 0.4 5x10^3
5/27 0.5 4x10^3

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)

情報ページ
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2008/ 5/26 14:47 太陽風は通常レベルの速度になり、磁気圏も穏やかです。
2008/ 5/27 19:06 太陽風は低速になり、磁気圏はとても穏やかです。
2008/ 5/28 17:20 太陽風の乱れが始まりました。速度が470km/秒に上がっています。引き続き強まりそうです。
2008/ 5/29 09:17 太陽風は570km/秒の高速風になっています。磁気圏活動も活動的になっています。
2008/ 5/30 10:18 500km/秒前後の高速風が続いています。続いて、コロナホールの影響がやって来そうです。
最新のニュース

2008/ 5/31 10:42 更新
550〜600km/秒の高速太陽風が来ています。磁気圏活動も活発になっています。

担当 篠原

昨日、コロナホールの影響がやって来るかもしれないと書きましたが、
その直後から、太陽風の速度が再上昇し、550〜600km/秒へと一段強まっています。

今日の1枚目の図は、1週間幅のACEの図です。
まず、28日に高速風の始まりがやって来ました(黄色線)。
ここでは、磁場強度(白線)や、密度(橙色線)も大きく強まっています。

そして、30日に入ったところ(日本時間では30日の朝)で、
次の速度の上昇が起こっています。
これが、昨日のSOHOの写真に見えていた、コロナホールの影響だろうと思います。
27日周期の図で前周期と比べると、半日ほど到来が早まりました。
この程度の変化は普通に見られることです。


ACEの1日の図を見ると、まん中付近で-5nTに達する南向き磁場(赤線)が発生しています。
速度が高まっているので、地球への影響も大きそうです。

次に、AE指数を見てください。
太陽風の磁場が南を向いた時間帯に、
600nTと900nTの中規模のオーロラ活動が発生しています。
2回起こっているのは、磁場の南向きも大きく2回に分かれているためでしょう。

細かく見ると、オーロラの発生時間は南向き磁場よりも1〜2時間ほど遅れて見えます。
これは、ACEで観測された太陽風が、地球までやってくるのに1時間弱かかることや、
磁場が南を向いて磁気圏に流れ込んだエネルギーが、
オーロラ活動を次第に発達させていくので、少し遅れて見えることなどが原因です。


SOHO EIT195を見ると、コロナホールは緯度が上がりながら(赤道から離れながら)、
南極や北極へとつながっています。
その伸びて行く部分が、ちょうど太陽のまん中に来ています。
現在の高速風は、この領域が通過するまで、もう3〜4日程度続くのではないでしょうか。


放射線帯の高エネルギー電子は、今のところほとんど変化はありません。
低いレベルに留まっています。
高速風が続いていますので、引き続き注意してください。

太陽は静穏です。
黒点はなく、X線のグラフも変化はありません。



1週間の太陽風の変化。28日に速度が上がり、30日に再上昇している。
(c) NOAA/SWPC


SOHO衛星EIT195カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

5/31 01:14 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。