宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/11/23 10:48 太陽風の磁場強度とプラズマ密度が増加しています。高速太陽風がまもなくやって来そうです。
2006/11/24 10:34 高速風がやって来ました。太陽風の速度は500km/秒に上がり、活発なオーロラ活動が発生しています。
2006/11/25 12:12 コロナホールによる高速の太陽風が続いています(600km/秒)。オーロラ活動も活発に発生しています。
2006/11/26 11:00 高速の太陽風が続いています(600km/秒)。放射線帯高エネルギー電子が増加を始めています。
2006/11/27 11:28 600km/秒の高速太陽風が続いています。
最新のニュース

2006/11/28 10:29 更新
太陽風の速度は下がり始めています(520km/秒)。オーロラ活動も次第に小規模になっています。

担当 篠原

太陽風はゆっくりと速度が下がりつつあります。
昨日より、太陽風の速度は560km/秒を前後するように変化し、
今朝に入って、520km/秒へと一段下がっています。
この後も、引き続きゆっくりと低下が続くものと思われます。
27日周期の図で見ると、23日に始まった今回の高速風は、
今日、28日まで、6日間に渡って続いたことになります。
図の上段の前周期の変化と比較すると、速度の盛り上がりがずいぶん立派になったのが分かります。

磁場強度は、5nTから次第に下がり、2nTまで弱まっています。
この弱まりも、高速風帯が終盤を迎えていることを示しているのでしょう。

速度自体はまだ高速状態ですが、磁場強度がすっかり弱まってしまったため、
南に向いても小さな値しか現れていません。
このため、磁気圏へ流れ込むエネルギーも小さくなってきています。
それに対応するように、オーロラ活動も次第に小規模になっています。
今日のAE指数のグラフは、300nTくらいの比較的小さな変動が発生しているだけです。
しかし、回数としては、一日を通して度々起こっていますので、
華やかではないものの、極域ではオーロラを楽しむことができたでしょう。

アラスカのライブカメラでその様子を見ることができます。
http://salmon.nict.go.jp/awc/live/index.php

また、シベリアの磁場データの図で3日間の移り変わりを見ると、
変動が次第に小規模になっている様子がよく分かります。
シベリアの図の観測点はオーロラのすぐ下にあり、
オーロラが活動する時に100kmほど上空(電離圏)で流れている電流の変化を磁場変化として検知します。
グラフが上や、下に大きく変化すると、
そのとき、上空に活発なオーロラが光っていると考えることができるのです。
磁場データが上に変化するか、下に変化するかは、上空に流れる電流の向きに関係します。

さて、高速風帯が終わろうとしていますが、
太陽には次のコロナホールが姿を現しています。
それほど大きなものではありませんが、太陽の中心から南(下)に向かって伸びています。
今日と、27日前の写真をGOES13のX線写真で比較します(SOHOはお休み中です)。
このコロナホールは、前周期は太陽の北寄りで目立っていました。
今回は北側は小さくなり、中心付近が濃くなっています。

27日周期の図で前周期を見ると、11月4-5日にとても小さな速度の山がありますが、
この部分が今回、もう少し大きくなっているかもしれません。
コロナホールが太陽の中心に達していますので、
影響が見られるのは3日後の、12月1日頃でしょう。
どの様な変化が現れるか、注目したいところです。


放射線帯の高エネルギー電子が若干増加しています。
青線のGOES11が警戒ラインに達しています。
明日にかけてもう少し増加するかもしれませんが、
今回の高速風では、それほど大きな増加にはならなかった様です。
ただし、多めではありますので、ある程度の注意は必要でしょう。

太陽では、926黒点群に続いて、927黒点群が出現しています。
X線のグラフを見ると、小さな変動が見られていて、
あるいはCクラスの小規模フレアに達するものが発生するかもしれません。



GOES13衛星のX線カメラで撮影した太陽の様子。28日9時半(世界時28日0時半)。元の写真はやや左に傾いています。
(c) NOAA/SEC


27日前にGOES13衛星のX線カメラで撮影した太陽。11月1日9時半(世界時1日0時半)。コロナホールの変化が分かります。
(c) NOAA/SEC


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。