宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 9/ 4 12:48 太陽風の速度はやや下がりましたが、オーロラの活動は続いています。これから次の太陽風の乱れが発生するでしょう。
2005/ 9/ 5 12:55 一時、太陽風の速度が750km/秒へ上がりました。現在は600km/秒に戻っています。放射線帯の高エネルギー電子が高いレベルを保っています。
2005/ 9/ 6 11:59 放射線帯の高エネルギー電子が増加しています。太陽風は穏やかになってきました。
2005/ 9/ 7 12:32 今朝、M1.4の中規模フレアが発生しました。太陽風は通常の状態です。
2005/ 9/ 8 09:19 8日2時(世界時7日17時)に、X17の猛烈な太陽フレアが太陽の東端で発生しました。
最新のニュース

2005/ 9/ 9 12:10 更新
今朝、X5.4の大規模フレアが発生しました。太陽の東端で非常に激しい活動が続いています。

担当 篠原

昨日のX17というものすごいフレアに続いて、
今朝も、9日6時(世界時8日21時)にX5.4の大規模フレアが発生しました。
フレアを起こした黒点群は、808黒点群という番号が付けられましたが、
非常に活発な活動を続けています。

(記事執筆中の9日12時(世界時9日3時)時点で、
X線グラフにXクラスに達しつつあるフレアの変化が見えています)

昨日のX17フレアと、今朝のX5フレアのX線写真の動画を掲載します。
非常に激しいX線の輝きが、どちらの動画にも写っています。
X17の動画をよく見ると、爆発直後に太陽のガスが右方向に飛び出している姿が写っている様に見えます。
また、X5のフレアは、X17に比べると一見見劣りがしますが、
X5という規模も、ものすごく大きなフレアに位置づけられるものです。

SOHO衛星がデータ取得の難しい位置に来ているため、データ更新が滞っています。
そのため、LASCOカメラによるCME(太陽ガスの放出現象)の観測ができていません。
普通に考えると、これらのフレアは太陽の縁の部分で起きているため、
飛び出したガスはほとんどが横方向に向かっており、地球への影響はほとんどありません。
しかし、今回発生した爆発が非常に大規模であるため、
真横にあたる地球方向へも影響が及ぶ可能性は十分あると思います。

影響がある場合は、今日の昼から夜にかけて、太陽風の乱れが到達するでしょう。
どの程度の乱れになるかは、来てみないと分かりませんが、
そこまで激しいものにはならないのではないでしょうか。

今朝のX5.4フレアについても同様です。
こちらは、明日の昼から夜にかけてでしょう。
発生箇所が少しずつ地球に向いて来ていますので、影響が及ぶ可能性は次第に高くなっています。

今後も、808黒点群の活動には十分な注意が必要です。
黒点写真ではありませんが、太陽磁場の写真で808黒点群の位置を示します。
今日の3枚目の写真の、左端の白黒が複雑に分布している部分が808黒点群の位置です。

太陽放射線(太陽から来る非常に高速のプロトン粒子群)の密度が増加しています。
現在、100PFU付近に達しています。
今朝の大規模フレアの影響で、これから更にもう一段増加するかもしれません。

また、放射線帯の高エネルギー電子も、10の4乗の警戒ラインを越えた状態が保たれています。
(こちらは地球の磁気圏の中にある高エネルギー粒子で、今回のフレア活動とは関係ありません)

どちらも衛星に支障を起こす可能性がある現象ですので、しばらく注意が必要です。

現在の太陽風は、速度が350km/秒程度で、やや遅い状態です。
27日周期の図を参考にすると、これからコロナホールの影響で、
速度が高まったり、磁場強度が強まったりして、やや乱れた状態になる見込みです。
前周期では、約1週間にわたって乱れが続きました。
この期間は、オーロラ活動も活発になりそうです。

今後の太陽風は、フレアによる突発性の乱れとコロナホールによる周期性の乱れとが影響し合って、
複雑な変化を見せるかもしれません。
注目されるところです。



昨日、GOES衛星が観測したX17の超大規模太陽フレア。8日2時(世界時7日17時)に発生。30年間の観測史上、5番目の規模です。
(c) NOAA/SEC


今朝、GOES衛星が観測したX5.4の大規模太陽フレア。9日6時(世界時8日21時)に発生。これもとても大規模なフレアです。
(c) NOAA/SEC


太陽の磁場分布の写真(SOHO衛星による)。左端に見える複雑な構造が、808黒点群を示している。
(c) ESA & NASA


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT


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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。