宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 7/10 13:58 南向き太陽風磁場の影響で、オーロラ活動が活発になり弱い磁気嵐も発生しています。衝撃波が到来しました。
2005/ 7/11 10:24 太陽風の乱れによって、磁気圏が大きく乱れています。オーロラが激しく活動し、磁気嵐も発生しています。
2005/ 7/12 10:13 太陽風磁場の南向き(-5〜-10nT)が続いています。オーロラ活動も活発に続いています。
2005/ 7/13 11:04 786黒点群が活発になり、中規模フレアを多く起こしています。太陽風の乱れのため、オーロラがとても活発になりました。
2005/ 7/14 11:56 786黒点群がさらに活発化し、中規模フレアを多発させています。太陽風は高速状態が続いています(570km/秒)。
最新のニュース

2005/ 7/15 13:58 更新
X1.2の大規模フレアが発生しました。横向きですが、大きなCMEが太陽から飛び出しています。
2005/ 7/15 14:04 追加 
太陽風の図の追加です(最後にあります)。

担当 篠原

786黒点群が去り際に大爆発をしました。
14日19時(世界時14日10時)にX1.2の大規模フレアを起こしたのです。
起こったのはほとんど太陽の西の端で、いくらか没しかけているくらいの場所です。
継続時間の長いタイプのフレアで、CME(太陽ガスの放出現象)や、高速プロトン粒子の放出など、
様々な宇宙天気擾乱が発生してます。

今日2枚目の図に、SOHO EIT195カメラが撮影した、
Xフレア前後の786黒点群付近の様子を動画にしています。
ファイルサイズが大きいため(約6MB)、ダウンロードに手間がかかるかもしれませんが、
プロミネンスのループがゆらめいたり、激しく吹き出して行く様子を詳しく見る事ができます。

786黒点群はその他にも、
14日15時(世界時14日6時)にM1.0の中規模フレア(長時間型でした)を、
14日16時(世界時14日7時)にM9.1の大きな中規模フレアなどを起こしてます。

大規模フレアによって、太陽放射線(非常に高速のプロトン粒子群)が更に上昇しています。
昨日10PFU程度に上がっているとお知らせしていましたが、
その後更に上昇し、現在は100PFUを越えています。
まだわずかに上昇を続けているようです。
衛星の運用などでは、障害が発生する可能性があり注意が必要でしょう。

X1.2フレアと、その前のM1.0フレアによって、大規模なCMEが発生しています。
SOHO衛星LASCO C3の動画をご覧ください。
初めにM1.0のCMEが飛び出して、それを吹き飛ばす様にX1.2のCMEが吹き出しています。
これらの高速ガスは、地球に対して横方向を中心に飛び出しています。
しかし、動画を見ていると、ガスの一部は地球方向へも飛び出しているようです。
(濃いガスは右へ出ていますが、薄いガスが写真全体に広がっている様子も見えています)
もし地球へもやって来るとすると、到来は明日の午後から夜中にかけてになりそうです。
その前に、昨日お知らせしたCMEによる太陽風の乱れが発生するかもしれません。
太陽風や磁気圏の乱れた状態がまた発生しそうです。

現在の太陽風は、速度がゆっくり下がって430km/秒になっています。
磁場強度は約3nTで、だいぶ穏やかな状態に戻っています。
今日の図で、前半部分は太陽風磁場が南を向いています。
その影響で、オーロラ活動を示すAE指数のグラフを見ると、500nT程度の小規模の活動が発生しています。
今は、太陽風磁場は北を向いており、オーロラ活動も静かです。

久しぶりにSOHO EIT284の太陽写真を見てみましょう。
東端(左端)に、東西方向(横方向)にのびたコロナホールが見ています。
そのほかは、のっぺりしていてコロナホールらしき姿は見えず、
今後は基本的には穏やかな太陽風が予想されます。
しかし、最初に書いた様に、ここ数日CMEが連発していて、
それらの影響がこれから明日、明後日にかけて地球に及びそうです。

太陽風の速度の上昇とともに、磁場がどちらを向くかに注目してください。
南向きが強まると、磁気圏の乱れも大きくなります。
CMEは基本的には地球に対して横方向に飛び出しています。
太陽風の激しい擾乱が来る事はないだろうと思っています。
(地球の正面で発生していたら、磁気圏の激しい擾乱が発生したでしょう)

放射線帯の高エネルギー電子も再び増加しています。
明日以降の変化に注意が必要でしょう。

2005/ 7/15 14:04 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります
ACEの太陽風データを入れ忘れていました。
一番最後に追加します。
(誤って、黒点写真を2枚入れていました)



SOHO衛星LASCO C3カメラが観測した、世界時12〜13日に発生したCME(太陽ガスの放出現象)の様子。
(c) ESA & NASA


SOHO衛星EIT195カメラが観測した、美しいプロミネンスの動き(世界時7月13日)。
(c) ESA & NASA


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC




2005/ 7/15 14:04 追加

ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。