宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 5/ 4 07:26 758黒点群がC8の小規模フレアでCMEを発生させています。横向きですので、地球への影響はないでしょう。
2005/ 5/ 5 15:08 太陽風は穏やかで、磁気圏は静穏です。
2005/ 5/ 6 10:07 太陽風は速度も低く(340km/秒)、地球磁気圏は穏やかです。C7.8の小規模フレアが発生しました。
2005/ 5/ 7 07:47 C8.5の小規模フレアが発生し、CMEを起こしています。9日に太陽風の乱れが発生しそうです。
2005/ 5/ 9 09:08 太陽風が大きく乱れています。磁気嵐が発生し、オーロラも非常に活発に発生しています。
最新のニュース

2005/ 5/10 11:39 更新
太陽風は速度も下がり、落ち着いてきました。磁気嵐も終息に向かっていますが、オーロラ活動には引き続き注意が必要です。

担当 篠原

昨日は米国SECのデータ表示システムの不調のため、太陽風データを詳しく見ることができませんでした。
今日は初めに、3日間の太陽風データの図で8-9日の変化を振り返ります。
太陽風では、2回にわたって大きな乱れが地球にやってきたようです。
白線の太陽風磁場の強度のグラフをご覧ください。
ひとつめは、8日3時(世界時7日18時)から始まる磁場強度の強まり、
ふたつめは、8日17時(世界時8日8時)から始まる磁場強度の強まりです。
どちらも、磁場の強まりに合わせて速度の上昇も発生しています。
ひとつめは約600km/秒まで、ふたつめは900km/秒まで速度が上昇しています。

これら2回の乱れにおいて、太陽風磁場が大きく南を向いていたのが、
大きな磁気嵐、活発なオーロラ活動を生んだ原因です。
-5〜-15nTのかなり大きな南向き成分がほぼ1日にわたって続いています。
ふたつめの乱れでは、太陽風の速度も一段と高かったため、かなり大きな磁気圏の擾乱が発生していました。

今回の、このふたつの太陽風の乱れでは、速度の急峻な増加という変化は見られていません。
CME(太陽ガスの放出現象)で高速ガスが地球に飛んでくる場合は、不連続な速度の急な増加がよく見られます。
しかし、今回はどちらもなだらかな(比較的短時間ではありますが)増加の曲線を描いています。
数回連続して発生したCME(太陽ガスの放出現象)活動や、コロナホールの高速風などが重なり合って、
このような変動を作り出したのかもしれません。

沖縄の磁場変化を見ると、最大で-130nTの磁場強度の減少が観測されました。
このグラフが下がるほど、磁気嵐が発達していることを示しています。
現在、赤線は-50nT近くまで回復しています。
大きな乱れの後、太陽風磁場が北を向いたために、磁気嵐は緩やかに回復に向かっていた様です。

昨日まで非常に激しかったオーロラ活動も、太陽風磁場が北を向いたことで、一旦穏やかになっています。
ただし、太陽風データの最新の部分では、-5nTの南向きに切り替わっています。
このため、オーロラ活動も現在は500nTを越える程度の活発な活動が再び始まっています。

SOHO EIR284の太陽写真に見られるように、
現在コロナホールが地球に影響を及ぼす(見かけの)位置に来ています。
このため、太陽風の速度はまだしばらく速い状態が続くでしょう。
南向き磁場の強まりに関係してオーロラ活動が活発な状態が発生します。

太陽では、758黒点群が多くのCクラス小規模フレアを発生させています。
GOES衛星のX線動画が見られないために詳細が分からないのですが、
この黒点群は活発な活動を続けているようです。
現在も、複雑な構造を保っており(エネルギーを蓄えていると考えられます)、
引き続きフレア活動に注意が必要です。



3日間の太陽風の変化。白線は磁場強度、赤線は磁場南北成分、黄色線は速度。
(c) NOAA/SEC


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。