宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 1/18 10:35 昨夕、X3.8の大規模フレアが発生しました。太陽風は高速状態で、非常に活発なオーロラ活動が度々発生しています。
2005/ 1/19 12:01 太陽風が非常に高速です(950km/秒)。オーロラはたいへん活発ですが、磁気嵐はあまり発達していません。また、太陽放射線は次第に減少しています。
2005/ 1/19 20:25 太陽風磁場の南向き傾向が続いています。オーロラ、磁気嵐共に激しくなるかもしれません。また、X1.5の大規模フレアが発生しています。
2005/ 1/20 10:43 太陽風は現在もとても高速(700km/秒)です。オーロラ活動も活発です。放射線帯の高エネルギー電子が増加しています。
2005/ 1/20 18:36 X7.1の非常に大きなフレアが発生しました。太陽放射線の強度が再び急増しています。オーロラの活動は穏やかになっています。
最新のニュース

2005/ 1/21 13:14 更新
昨日X7.1の非常に大きなフレアが発生しました。太陽放射線が増加しています。磁気圏は穏やかになってきました。

担当 篠原

昨日、20日15時半(世界時20日6時半)に、X7.1の非常に大きなフレア(太陽爆発)が720黒点群で発生しました。
720黒点群による一連の活動の中でも最大のフレアです。
フレア直後から太陽放射線(高速のプロトン粒子)が地球に飛来しています。
GOES衛星のデータでは再び1000PFUを越える(赤線)非常に強いプロトンイベントになりました。
現在は200PFUまで低下していますが、
高レベル状態が5日に渡って続いており、人工衛星への影響が懸念されます。
X7.1フレアのX線画像の動画を掲載しています。GOES衛星が撮影しました。

大規模なフレアですので、CME(太陽ガスの放出現象)の発生が予想されますが、
太陽放射線の激増により、"Snowstorm"(吹雪)と呼ばれる
雪の様なノイズがSOHOの画像を埋め尽くしてしまいました。
そのため、CMEの様子がほとんど分かりません。
唯一、LASCO C2カメラで西方向に飛び出しているガスが撮影されているコマが1枚ありました。
LASCO C2カメラでも、次の撮影ではノイズで埋め尽くされています。

フレアの発生源である720黒点群は、かなり西に傾いています。
このため、写真で見られた通り、CMEは主に西方向へ飛びます。
ただし、フレアが非常に大規模であったため、地球方向へもいくらか広がって来ている事も考えられます。
地球へ影響が及ぶとすると、明日、22日の昼から夜にかけてになるでしょう。
ガスの周辺部にあたりますので、大規模な太陽風の乱れにはならないと思われます。

太陽放射線の影響で、ACE衛星の太陽風観測に支障が出ています。
太陽風の速度は依然観測できていません。
SOHO衛星のデータを参考にすると、550km/秒程度まで低下している様子です。
太陽風磁場は強度が5nTと通常レベルに戻り、南北成分はほぼ0付近に留まっています。
速度が下がったためもあるのでしょう、AE指数のグラフを見ると
一時的に強まった時間帯はありますが、ほとんどは500nT以下の小規模な活動が見られた程度です。

磁気圏活動の低下に伴い、沖縄の磁場強度も静穏レベル(青い横線)にゆっくり戻って来ています。
今回の擾乱は、100nT程度の普通の規模の磁気嵐で終わりました。

太陽風の今後を予想する事は難しいのですが、しばらくは更に穏やかになっていくと思います。
明日到来するかもしれないCMEの影響と、
明後日以降のコロナホールの影響(SOHO EIT284の太陽画像参照)が今後の擾乱要因です。

放射線帯の高エネルギー電子は現在も高い密度が続いています。
GOES10,12衛星の観測では、警戒ラインと呼ばれる10の4乗の線をどちらも越えています。
衛星運用では、こちらに対しても注意が必要でしょう。



GOES衛星が観測したX7.1の大規模太陽フレア。20日15時(世界時20日6時)。
(c) NOAA/SEC


SOHO LASCO C3カメラが撮影した、X7.1太陽フレア後の放射線によるSnowstorm(吹雪)。
(c) SOHO (ESA & NASA)


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


SOHO衛星LASCO C2カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

1/20 06:30 UT

1/20 06:54 UT

1/20 07:34 UT


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。